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晩年中位クラブの分析

J1 第三節 対磐田@ヤマハスタジアム

今回はジュビロ磐田戦のレポートです。スターティングは以下の通りです。

結果は0-2でした。まずこの試合における原因を考えていきます。
長谷川健太監督は決定機をモノにできていないことを一つの課題として考えていましたが、原因はそれだけなのでしょうか。自分はダイヤモンド型の4-4-2を採用することにも問題があると思ったので深く考えていこうと思います。

今回の相手であるジュビロ磐田は大きなサイドチェンジを一つの戦術として取り入れていました。そのサイドチェンジが少し気になったので、磐田戦で採用されたダイヤモンド型の4-4-2とフラット型のもので比較してみました。

これはダイヤモンド型を採用した時の守備時の構図です。ジュビロは4・5人でボールを回します。それに対して東京は中盤の三枚+高萩で対応します。東京の選手がサイドによった段階でジュビロは大きくサイドチェンジをします。そうすることでギジェルメと室屋の1対1を作り出すことができ、質でギジェルメが室屋を上回ることが可能となります。また、ジュビロは3CBの内の一枚がオーバーラップのような形でフォローすることで数的優位の状況を簡単につくることが可能となります。実際にこの形での攻撃は何回も繰り返されていて、東京の選手はなかなか相手を捕まえきれない・狙いを絞ったボール奪取ができないといったことが多く見受けられました。

名前は省いてしまったのですがこれはフラット型の4-4-2を採用した時の構図です。ヤマハスタジアムのピッチの横の幅は68mなのでダイヤモンド型採用時の中盤3枚の内、1人当たりのカバーしなければならない範囲は約22mになります。一方でフラット型採用時は1人当たり17mとなります。この二つを比べると、展開された時の相手への対応に大きな差が出てくるのがわかると思います。またこれらは中盤の選手をゾーンの形で均等な距離に置いた前提での計算になっているので、実際に選手間の距離がまばらになった状況でスライドしながら守備をするとなると、フラットとダイヤモンドではかなりの差が生まれることとなります。そしてダイヤモンド型を採用することでサイドチェンジされた後の対応の遅れが目立つようになるのです。また先ほどは東京の選手はなかなか相手を捕まえきれない・狙いを絞ったボール奪取ができないと述べましたが、これも相手への対応の遅れが原因であると考えられます。
今季の東京はカウンターを戦術のベースとしているので多くの時間を守備に費やすことになります。守備を基本としているチームにダイヤモンド型のシステムを採用することで実際に対応に遅れが出ていると今まで考えてきたことから分かりました。対応に遅れが生じているということは別の視点から考えるとボールを上手く相手に回されているということとイコールで結べると思います。これは意図的に試合の内の多くの時間を守備に費やしているチームにとってあっていいことなのでしょうか。そこでまず解決策として考えることができるのはフラット型の採用です。フラット型と言っても東や大森が逆サイドによってしまっては意味がなくなるのでここではさらにゾーンを採用します。日本人はゾーンで守ることができないとよく言われてきましたが、ジュビロ磐田戦のDFラインに関してはラインこそ少し低めでしたがゾーンで守れていたと思います。(おそらく川又対策)

このようにピッチを何分割かしてそれぞれエリアを分担することで磐田が行ったような大きなサイドチェンジに対応することができます。またMFとDFの距離感をなるべく狭めることで相手の侵入を抑えることもできますし、それぞれのエリアを分担することで対応の遅れが激減し、相手を捕まえきれない・狙いを絞ったボール奪取ができないという課題が解決されます。そしてダイヤモンド型採用時の問題であった相手にボールを上手く回されることにも対応することができます。
もう一つの利点このフラット型のゾーンを採用することにあります。今まではダイヤモンドの中盤の底におかれたヨネが上下左右の広い範囲をカバーしていたために彼の存在が不可欠となっていたのですが、組織的に中盤をカバーすることによってヨネの負担を軽減することが可能になります。良い意味でヨネの存在が必要ではなくなるというふうにも捉えられます。「良い意味で」とは、組織的な守備を設定することで今までは守備のピースとして起用されていた彼の1枠を攻撃的なアクセントを加えられる選手に与えられるということです。具体的な名前を挙げると、BOXtoBOXタイプである橋本拳人などでしょうか。今まで攻撃のバリエーションが裏への抜け出しのみだった東京からしてみればこれは大きな変化です。
これまでは自分が原因と考えてきたダイヤモンド型の4-4-2について述べて来ました。次に、多くの東京サポータが考えているであろうFWのペアの問題について軽く触れていこうと思います。過去の投稿でもこの問題について触れているためにあまり多くは書きませんが、やはり裏への抜け出しをチームとして狙っていく東京にとって前田とディエゴオリヴェイラのペアというのは少し難がありそうです。DAZNで試合後に表示された選手のプレーエリアからも分かるように、ディエゴは前田と縦の関係を作っているため比較的低い位置でのプレーが多くなっています。そのため裏に抜け出すのは必然的に前田となっているわけです。しかし前田はもともとスピードで抜くタイプではないために彼を起用することは効果的ではないと考えられます。そのためFWのペアの再選考をする必要があると考えられのです。また、ジュビロ戦でも何回か前田の得点機はありましたが、ネットを揺らすことはできていません。スピードがない上にゴールもないとなるとやはり起用し続けるのは難しくなります。これも長谷川健太監督のいう、「決定機をモノにできていない」という課題の原因の一つであると思われます。
話が少し変わってしまいますが、先日のジュビロ戦後に東京が目指すべきサッカーを実際に体現しているチームはないかと思い海外サッカーを見ていたところ、スペインのバレンシアCFを見つけました。見た試合は3/11に行われたラリーガのセビージャ戦です。セビージャは以前清武弘嗣が在籍していたことでも有名なチームです。バレンシアの基本フォーメーションは4-4-2のフラット型でゾーンディフェンスを採用していました。バレンシアと東京の選手の個々のレベルの差はあるのですが、バレンシアは組織的に守っているために選手の個々のレベルは気になりませんでした。バレンシアを見ていると自分が理想としている選手の采配と似たようなことをしていました。例えば、2枚のFWにはロドリゴというスピードタイプとザザというフィジカルタイプの選手を併用していました。これを東京で再現するならば永井とディエゴオリヴェイラといった感じです。そして中盤のセンター2枚にはコンドグビアとパレホという選手が起用されていました。コンドグビアは前への推進力が持ち味の選手で多少大げさになってしまいますが、推進力のある橋本拳人が似たようなタイプです。またパレホは正確なキックとチームに安定感をもたらすことができるタイプの選手でプレースタイルが高萩にそっくりな選手です。

彼らが攻撃時に各々に課された役割を果たしていたことでより効果的なカウンターが可能となっていました。これは東京が参考にすべき良い例であると思いました。(結果は2‐0でバレンシアの勝利)
「海外サッカーとJリーグは別!」と思われる方もいるかもしれませんが、ゲームモデルや戦術を参考にするということにおいては海外サッカーを見て損はないと思います。むしろ参考になるものはすべて取り入れた方がいいと思います。ちなみにバレンシアーセビージャの一戦はDAZNで視聴可能ですのでお時間があるようでしたらぜひご覧ください。
開幕からの3戦そしてルヴァンと勝てない試合が続いていますが原因を追求・修正しそれをチームとして続けることで必ず結果は出てくると思うので結果が出るのを待ち続けましょう!次回はJリーグ第4節湘南戦の分析の投稿になります。次節もそれなりに難しい試合になると思いますがまずは初勝利を目指して応援しましょう!これまで長くなってしまいましたが最後までありがとうございました。