fctokyoloverのブログ

晩年中位クラブの分析

J1 第一節 対浦和@味の素スタジアム



2月24日に行われた浦和レッズ戦の試合分析です。スターティングは以下の通りです。

結果は1-1ということで、決して悪くはなかったと思います。東京は昨シーズン攻撃のカタチやチームとしてのスタイルが見当たらなかったのでそれに比べるとかなり良い仕上がりになっていたと思います。そして、試合を通して見えた東京の戦術、また各選手の良かった点や悪かった点を説明していきます。




東京の戦術~ディフェンス~
4-4-2のシステムで挑んだ試合でしたが、そこから見えてきた基本的なカタチを今から上げていきます

まずはこの図です。⋯⋯はプレスを示しています。(黄色は東京のプレス)浦和の2センターバックに対して東京の2枚のフォワードがプレスをかけます。そして降りてきた浦和のボランチにパスが通りますがそこに東京のボランチ(高萩もしくは米本)がプレスをかけに行きます。一見単純にも見えるプレーですがそんなことはないのです。ここで大切になってくるのが連動性です。順々にプレスをかけに行くことで相手の自由をつぶすことができ、なおかつ前を向かせないということにもつながります。また、組織だてられたプレスによって相手のパスミスを招くことにもつながります。

(⋯⋯はプレス、――はパスコース、オレンジ色のマーカーはウイングの選手が降りてきた位置を示します。)
続いては、サイドにおけるプレッシングに重点を置いた守備です。まず浦和の2センターバックからサイドにボールが渡ります。その時に東京のサイドハーフ(東もしくは大森)がボールホルダー(浦和のサイドバック)に対してプレスをかけます。そうするとその東京のサイドハーフが抜けて空いたスペースに浦和のウイングが下りてきて、そこにボールが入ります。そこで東京のサイドバックがさらに連動していくわけです。これも同じように相手に前を向かせないための有効的な戦術の一つになります。実際にこの試合でも数回このようなシーンがありました。
ここまでは守備的な戦術を解説してきましたので、次は攻撃における戦術の解説をします。 

これは最終ライン(陣地)でボールを持った時の構図です。昨シーズンと比べて大きく変わました。
変わった点は3つ。  
1.高萩が1列下がる
2.サイドでの数的優位を作る
3.ポジションにとらわれない動き


まずは1について。高萩が一列下がることによるメリットは、ディフェンスラインでボールを回すことの安定感を生みさらに2センターバックがワイドに開くことによって東京のサイドバックが高い位置を取ることができます。
2について。1で述べたように東京のサイドバックが押し上げられます。それによってサイドでの4対3ができるのです。サイドバックのポジショニングを利用して数的優位を作るのはスペインのアトレティコも利用している戦術です。
3.これは大森に言えることなのですが、彼が右から左へ大胆に動いてきます。これによって2のときに完成していた4対3が5対3となり完全に左サイドを制圧できるようになるのです。 これら3つの戦術は今までの東京にない、全く新しいものです!


これまでに今シーズンから取り入れられた戦術を紹介しました。続いては、浦和戦を通して見えた、問題点を簡単に挙げていきます。
1.後半から疲れによって連動性が消えてしまう。
2.縦にボールが入ったときのフォワードを追い越す選手の欠如
3.最適な2トップのコンビが見つけられていない
ここでは3について掘り下げていきます。
今現在東京のフォワードで実際に出場機会を得ている選手は、前田、ディエゴオリヴェイラ、久保建英、永井、富樫敬真の5人です。この中から最適なコンビを見つけ出すのですが.....東京は堅守からの速攻をベースとしているので、それなりに単独突破できる選手が必要になります。今はディエゴオリヴェイラと前田のコンビなのですが、彼らは似たようなタイプで速攻に向いている組み合わせとは到底思えません。
自分としては、スターティングで起用できるのは永井-ディエゴオリヴェイラ(前田) 敬真-ディエゴオリヴェイラ(前田)かと思います。敬真は流動性に長けた選手なので、ディエゴオリヴェイラとの相性は良さそうです。
この試合では後半70分に永井が入り久保建英との2トップになりました。この交代の意図は健太監督曰く、浦和が点を取りに来ていたのでそこをカウンターで突きたかったとのこと。しかし、浦和の2センターバックがきれいに対応したため裏のスペースはなかなかつくことができませんでした。そこで敬真が投入されたわけです。東京のサポータな方の中には浦和戦の永井の活躍をかなり批判されていた方もいましたが、自分としては敬真の交代は必要なかったと思いました。

これは東京のディフェンスラインからのロングボールを槙野がヘディングでクリアーした時の構図です。
永井のスピードを相手のディフェンスラインが気にすることで必然的にラインが下がり浦和は間延びしてしまいます。その間延びしたスペースにクリアーボールが落ちることによって東京のショートカウンターが生まれるのです。後半にあった久保建英と東の連携からのフィニッシュもこのカタチでした。ですから、東京が切るべき交代カードは敬真ではなかったような気がします。(敬真を投入することによって永井がサイドに流れることとなる)また、東京のボランチ2枚はそれまでにかなりの運動をこなしていて、後半80分の段階ではプレスが完全に遅れ、フォワードとの連動ができていなかったので橋本拳人の交代も考えてよかったのではないでしょうか。彼は前への推進力に優れている選手なのでそのショートカウンターでも十分に力を生かせられていたと思います。(ボランチ一枚がショートカウンターに加わることで数的優位が生まれる=カウンターにおけるパスの選択肢が増える。)


これまでに浦和戦での戦い方や問題点を指摘しましたが、全体的に良い試合内容だったと思います!そして何より見ていて楽しかったです! 話が少し変わるのですが、自分はまだ学生で文章を書くことに慣れていなかったりするのでおかしなところがあればTwitter(@Bunseki_Tokyo)のDM等で指摘していただけるとありがたいです。 
。次は第二節仙台戦の試合分析を投稿しますので、また見てくださるとありがたいです。ここまでとても長くなってしいましたが最後までありがとうございました!