fctokyoloverのブログ

晩年中位クラブの分析

5/5 川崎フロンターレ戦 5バックのすゝめ

今回は試合前の分析ということで初の試みになります。


さて、5/5には等々力での川崎戦が控えています。ということで、今回は難敵川崎とこのままいくとどんな試合になるのか考えていこうと思います。あくまでも高校生による予想でまだまだ知識や経験が乏しいので鵜呑みにはしないようお願いしたいです笑
基本的に対戦相手である川崎は4-2-3-1を採用します。メンバーは以下の通りです。
GK 1 チョン ソンリョン
DF 18 エウシーニョ
DF 3 奈良 竜樹
DF 5 谷口 彰悟
DF 7 車屋 紳太郎
MF 21 エドゥアルド ネット 
MF 10 大島 僚太
MF 14 中村 憲剛
MF 41 家長 昭博
MF 8 阿部 浩之
FW 11 小林 悠
自分はいつも3つのフェーズ(局面)で考えているのですが今回は第一フェーズと第三フェーズに絞って考えていきます。

まずはGKであるチョンソンリョンがボールを持っている局面(第一フェーズ)から見ていきます。フロンターレは基本的にエドゥワルドネットが一列下りてきて3バックを形成します。第一フェーズで最も警戒しなくてはならないのがネットの存在です。フロンターレの試合をチェックされている方は気づいていると思いますが、彼のフィード力はJでもトップクラスです。ふわっとしたやわらかいボールから地を這うようなグラウンダーのボールまで遜色なく使い分けることができますプレスで前傾姿勢になっているチームはベクトルが比較的前に向いているために一本の縦パスで守備の陣形も崩れてしまう確率はそれなりに高くなります。そのためネットの最終ラインからのフィードは要注意しなくてはなりません
ここで!題にあるように、なぜ5バックを勧めるかを説明しようと思います。



これらは第一フェーズにおける4-4-2と5-3-2での守備陣形の違いを表した図です。(フロンターレの4-2-3-1を線で結んで表しています)
まずは上の図から。いつもと変わらない4バックでの対応になっています。フロンターレの右サイドハーフ(家長)がボランチの位置まで下がり数で勝れる状況を作りだしています。それにより家長をマークするはずの東京の左サイドバック(小川)が守備において川崎に対して何も効果を与えられないようになってしまうのです。さらに家長のポジショニングにより、数で勝っているフロンターレは必然的にトップ下の選手をフリーにさせることが可能となります。そこで、東京のCBを一枚当てればいいじゃないかという声が出てくるかもしれません。なので今回は、仮にCDM(ネット)からCM(中村憲剛)に縦パスが入り東京のCBが寄せに行った時の図を作りました。

点線は選手のランニングの動き、傍線はパスによるボールの動きを示しています。こうなってしまえば後は川崎のFW対東京のCBという攻防に繋がってしまいます。このように中央において選手のマークのずれが起こるのは致命的なことなのです。
後からチェックした上でここに挿入する形となるのですが、鹿島戦ではそっくりそのままのシーンがありました。

このシーンなのですが、第一フェーズでパスを交わした後エドゥワルドネットが持ち上がって中央フリーの中村憲剛にパスを出しています。その時点で鹿島のCBの一枚が遅れてプレッシャーをかけに行っています。この後FWへパスが通れば先程述べたようにFW対CBの一対一となるのですが、実際にこのシーンでは寄せたCBにパスが当たったことでチャンスにはなりませんでした。ちなみに鹿島がこの試合で採用システムは4-4-2でほとんど東京と同じです。何が言いたいかというと、東京も同じようにピンチを招く可能性があるということです。

では次に5バックにおける守備を確認していこうと思います。

ここでは5-3-2を用います。ポイントとなるのはCDM(ネット)のマークです。一時期東京が採用していたダイヤモンド型の4-4-2を思い出して頂けると分かりやすいと思います。2FW+高萩によって行われるプレッシングでエドゥワルドネットを完全に封じ込みます。そうすると両サイドバックがフリーになってしまいますが、あくまでもそこはサイドなのです。先程の4バック採用時で生じた中央でのマークのずれによって起きる中村憲剛ドフリー現象と比べてみれば格段と失点する確率は下がります。
また、このシステムで注目して頂きたいのはCBが3枚いることです。先ほどマークのズレによって東京のCBが引っ張られた時のシミュレーションをしましたが今回は一枚が前に引っ張られたとしても後ろにCBが2枚残っているために相手FWのカバーは容易になり失点する確率は低くなります。そしてこのやり方を採用していたのは前節等々力で川崎相手に2-0で勝利した浦和レッズです。


続いて第三フェーズについて


フロンターレは第三フェーズ(敵陣ゴール前)においてやたらとライン間にポジションを取りたがります。ライン間にポジションをとることのメリットとして、ライン間でボールを保持することで相手の足を止めることができるという点があげられます。ライン間というだけあってMFラインとDFラインの真ん中に立つものですから、DFラインのうちの一枚がプレスに行くのかはたまたMFの選手の一人がプレスバックするのかと早急な判断を強いられます。この判断に時間をかけることが相手選手の足が止まることと直接的に関係してくるのです。フロンターレとしてはそこでさらに二つの選択肢を得ることが可能となります。一つは相手が足を止めたことによって生まれたスペースを生かしてフリーの状態でシュートを打つという手段。二つ目は足が止まった相手の裏にワンタッチでボールを送り、キーパーとの一対一の状況を生み出すという手段です。どうしても文章ではそれらの攻撃の脅威が伝わりにくいのですがサイドからのクロスと比較しても中央を使うことができるため、得点の確立は上回ります。
このライン間を使用した攻撃は相手のシステムにおいて4-4のブロックを敷いている時にはかなり有効なのです。そこで5-3のブロックを敷いている状況と4-4のブロックを敷いている状況での比較をしてみます。


まずは4-4のブロックから。神戸対川崎でのワンシーンですが、明らかにライン間を狙っていることがわかりますね。4-4-2は全体を25mに収めるのが一番といわれている中で明らかに25m以上になってしまっている神戸も神戸なのですが...笑
こうなってしまえばもう川崎のものです。続いて5-3-2のブロックを見ていきます。

今回は仙台の5-3を参考にしてみようと思います。この試合、仙台は終始5-3-2の完璧なブロックでライン間にいる選手をことごとく潰しカウンターに持っていくというサッカーを展開していました。決定力に問題があったのかなかなか決定機をものにできずスコアレスで試合が終了していましたが、この戦力の差で川崎を0に抑えたのはこのシステムが機能していたからに違いありません。写真を見ていただければわかると思いますが、5バックの一枚が一列前にポジションをとっています。これがライン間潰しです。実際にこの場面ではボールホルダーからライン間にいる選手へと縦パスが入っていましたが3CBの内の一枚によるライン間つぶしで無効化されています。ではこのライン間つぶしは4バックではできるのでしょうか。
5バック時と4バック時の場合をともに比べてみましょう。

先ほどの通り点線は人の動き、傍線はボールの動きを表しています。
これは4バック時にライン間をつぶした場合の構図ですが、見ていただければわかるように3人目(中央やや左の水色のマーカーのうち上にある方のマーカー)の動きにはだれもついていけません。この場合最終的に3人目の選手をカバーできていないため、一旦ライン間にいる選手にプレスをかけただけになってしまいます。ライン間にポジショニングする相手がシュートを狙ったところをCBの一枚が潰しに行くのであれば多少の効果は得られますが、裏に出されて対処ができないというようではライン間つぶしとは到底言えません。では次に5バック採用時のライン間つぶしを見てみましょう。


先程の4-4-2の中盤の選手を一枚削りCBを一人増やしたと考えると理解しやすいのではないでしょうか。この場面ではCBが一人余っているためにエリア内に侵入してくる三人目の選手に対応することが可能になります。最終的にはすべての選手をカバーできています。それからこの裏に抜け出す動きを基本とし、例外としてライン間の選手がシュートを狙ったとしても4バック時と同様にもちろん潰しが効きます。
ここまでで川崎を相手として想定して今まで採用してきた4バックでの守備と、5バックの守備を比べてみました。長谷川監督は開幕から4バックを継続して採用してきたため今節も4バックを採用する確率が高いと思いますが、仙台や浦和といった前例があるため自分としては5バックを採用してほしいです。ここまでとても長くなってしまいましたが最後までありがとうございました。

J1 第五節 対G大阪@味スタ

3/31に行われたG大阪戦の両チームのスターティングは以下の通りです。

結果は3-2で東京の勝利でした。印象としてはガンバもエンジンがかかるまで中々時間がかかっていました。また、井出やファンウィジョが意図的に降り中盤で数で勝ろうとしていましたが、なかなかそこで違いが作れていなかったなかなと思いました。その背景には東京の両サイドバックの2人の奮闘もありました。
この試合では改善点ももちろん見受けられたのですが、相手の脅威になっていた点もいくつかあったため少し触れていきたいと思います。また、これまでの分析で東京のシステムや選手起用法などは大まかに触れているために、次回以降は東京の改善点を部分的に分析していきたいと思います。
今回の試合での良かった点は
・自陣センターサークル付近からの組み立て・ビルドアップ
・小川マコの対人守備
・相手最終ラインボール保持時のプレッシングと連動
・永井を裏に走らせる・CBからの組み立て時にチーム全体の共通意識が見受けられた
特に最終ラインからの組み立ては、チームに、監督の理想が完全に落とし込まれているのがよくわかりました
続いては改善点です。ジュビロ戦ほどではありませんでしたが、守備においてまだ2人3人で囲んだ時のボール奪取が様になっていないと思いました。
個人でいえば拳人の45:50のプレー(判断ミス+キック精度)や51:00永井の選択などに疑問を持ちました。51:00のプレーは永井が走りこむスペースがあったにもかかわらず、足元でボールをもらったシーンのことを指します。このプレーにおけるデメリットはマイナスのクロスがあげられないという点と、足元でもらったところで永井の技術ではさほどゴールの格率が上がらないということです。このような問題点は実際に前節の湘南戦で解説者の方に指摘されていました。
そして!一番の問題点は実際にDAZNで振り返っていただくとわかりやすいと思うのですが、29:42~30:15の一連のプレーにすべてが詰まっていると思いました。自分が運用しているTwitterでもフォロワーの方と議論していた際に話に上がりましたが、やはりこのシーンが解決されない限りはなかなか上位進出は厳しくなってくるのではと思いました。
そして長崎戦。東京がボールを持つ時間が比較的長くなることが予想されるため、ガンバ戦での改善点をどう克服してくるかが楽しみです。

今回はここまでさせて頂きます。ありがとうございました。

J1 第四節 対湘南@味スタ

今回は先日行われたJ1第4節湘南ベルマーレ戦の分析です。両チームのスターティングは以下の通りです。

結果は1-0で東京の勝利となりました。では早速この試合のポイントを取り上げていきたいと思います。
まずは前節と比べて変わった点から触れていきます。変わった点としては、
・システムをフラットに変更
両サイドハーフが中に絞らず幅を保っていた。(攻撃時)
・チーム全体でコンパクトな陣形を作った。(守備時)
・両サイドバックの選手
・FWのコンビの変更
・拳人の起用
・プレッシングからの速攻
おそらく大きな変更点はこの7つほどでしょう。この中の1、3、5、6番目の点に関しては以前投稿したジュビロ磐田戦の分析で改善点として取り上げたため今回は触れないことにします。そして今回は2番目の,攻撃時に両サイドハーフが中に絞らず幅を保っていた点を中心に見ていきたいと思います。

これは前半8分のプレーです。

この上図は前半8分のシーンでボールの移動を傍線、選手の移動を点線、選手のドリブルを波線で表しそれぞれを動作の順で番号を振ったものです。

そしてこの図は先ほどの図をよりわかりやすく表したものです。まず大森からディエゴにボールが入り、そのままディエゴがドリブルでサイドに寄ります。そして高萩にボールを預けます。この一連の動作が行われている時大森はディエゴがサイドに寄ったことで生まれたスペース1に走りこみます。先ほどのプレーでディエゴが相手をサイドまで寄せたために大森はフリーで高萩からボールをもらえることとなります。その後はワンツーのような形で高萩がスペース2に走りこむことになります。これはサイドハーフ(今回は高萩)がぎりぎりまスペースが生まれ、ワイドに開くことによって可能となるデザインされた攻撃であり、今までに見ることができなかった東京の攻撃のカタチの一つであるといえます。
また、サイドハーフがワイドなポジションをとるということに関してもう一つ気になったシーンがありました。それは自陣でCBがボールを保持しているとき、今まではサイドハーフの大森が中に絞ってアプローチをしていましたが今節ではSBのマコが適当な距離まで中に絞りアプローチをしに動いていました。それにより大森が従来と比べると高く、よりワイドなポジションを取ることが可能となっていました。これが可能となることで速攻において数的優位の状況を作ることができます。
この試合から見えた改善点に入る前に、もう一つ東京の新しい動きがあったのでそれに触れたいと思います。これはおそらく湘南の3バックを上手く活用するためにとった戦術なのですが。。。

自陣でマコがボール奪取し、攻撃へと展開する場面の図です。普通ならばパスコースが比較的確保されていてフリーな状況にある大森へパスを出しますが、この場面ではロングボールを使いディエゴにダイアゴナルの動きをさせました。ディエゴには湘南のディフェンダーが一人ついていたため、あっけなくボールを回収されてしまいました。これを組み立の1プレーとして考えると決して良いものとは言えません。しかしこの次の、相手がボールを奪ったシーンを見てみるとこのプレーの意図が読み取れると思います。

ボールを奪取した選手にはダイアゴナルの動きを見せたディエゴがそのままプレスをかけ、湘南の3バックに対して2FW+1SHでマークに付きます。そうすることで湘南は3バックでボールをつなぐことが不可能となります。また、湘南の2CHが下りてきてボールをもらいに来たとしても東京の2CH(高萩・拳人)がくっついてプレスに行くため簡単には前を向けない状況になります。実際にこの形で東京は何回もチャンスを作っていました。
続いては、この試合から見えた改善点について触れていきたいと思います。まずは、後半から途中投入された永井について取り上げていきたいと思います。後半80分のプレーです。

写真を載せましたが、出し手の東と受け手の永井の意図が全く噛み合っていないのが一目でわかります。永井はDFラインの裏、東は足元といった感じでしょうか。写真には入りきらなかったのですが湘南のGKとDFの間はそこまでスペースがなく、いくら永井と言ってもこれほどのスペースではスピードを活かせるとは到底思えません。そのためこの永井の判断が正しかったとはなかなか言えません。
続いてはこの後の83分のプレーについてです。

キックモーションに入っているのが前田で、画面左のアンドレバイアの後ろにつけているのが永井です。仮にこの場面で前田が縦の空いているスペースにボールを送るとすると、必然的に永井とアンドレバイアの1対1の状況が作られることになります。そうなってしまえばスピードで永井がバイアを上回ることになり、決定機を迎えることが可能になります。しかし実際にこの場面では永井は裏のスペースに走りこむことはなく、前田が無理をして永井の足元にパスを出しています。そして最終的には永井が湘南の選手に囲まれてボールロストしてしまいます。永井にはとても分かりやすい特徴があるので選手本人も特徴を理解していると思いますが、それでなぜこのようなプレーをしてしまうのでしょうか。。。状況判断があまりにも悪いと思いました。
そしてチームとしての改善点があと二つほどあったので軽く触れておきたいと思おいます。一つ目は守備時に、東京の選手が引っ張られるなどとしてポジションが入れ替わってしまった時の対応についてです。高萩やケントがサイドに引っ張られたときにマコがセンターハーフのカバーができておらず、そのまま空いた中央のスペースを使われてしまうなどということが多々ありました。二つ目は次節以降の戦いについてです。今節の湘南はボールホルダーに対して一人ひとりがプレスにに来ていましたが、前節のジュビロのように一人ひとりが均等な間隔を保ちそれぞれ分担されたエリアを守るというような相手に対してどのようにして戦っていくかがこれからの課題になると思いました。実際に前節のジュビロ戦ではリスクを回避した中途半端なパスが目立ち、引いた相手に対してなかなか点を入れることができませんでした。。。ですから次節のガンバ戦で東京がどのような戦いをするかに注目していきたいと思います。


今回の分析はこれで終わりとさせてもらいます。最後までありがとうございました!